材料MBR

広島大学

デジタルものづくり教育研究センター

材料モデルベースリサーチ(材料MBR)プロジェクト

Hiroshima University

Digital Monozukuri (Manufacturing) Education & Research Center

Material Model-based Research Division Project

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部門長 大下浄治 挨拶

材料モデルベースリサーチ(MBR)部門は、2019 年 2 月 1 日に設立された 広島大学デジタルものづくり教育研究センターをデータ駆動型スマートシステム部門とともに構成しており、 内閣府の「地方大学・地域産業創生交付金」の支援を得て始まった「ひろしまものづくりデジタルイノベーション創出プログラム 」の中で、 モデルをベースにした研究開発を産学官の緊密な連携のもとに推進してきましたが、本プログラムも交付金の助成期間も2022年度で終了し、 2023年度から自立化のフェーズに移行しました。

実験によって積み重ねられた大量のデータを解析して材料の高性能・高機能化を図っていくのが材料開発の一般的なプロセスですが、 本部門では、原理原則に基づいた材料の機能と工法のメカニズム解明を行い、それに基づいたシミュレーション・モデルを活用して、 質の良い最小限のデータから材料開発を効率的に進める新しい取り組みを大学・企業・公設試のコンソーシアムを組織して進めてきました。 メカニズム解明とモデル化のためには、材料の微細構造や機能、工法の見える化が重要です。この為、助成期間内に最新鋭の分析装置を多く導入し、 その効率的な運用と分析技術の高度化に努め、新たな材料機能メカニズムの解明に導きました。また、単なるソフトウェアの使いこなしのみならず独自の解析技術・モデルの開発を進め、 高いレベルでの材料機能予測とそれに基づく材料設計を可能にしました。コンソーシアムメンバー各位と部門所属のスタッフの努力の成果と感謝しています。 今年度以降の自立化の中でも、これらの習得技術や研究成果を活用した新材料開発を進めるとともに、新たな技術開発に取り組みます。 工法モデルに関しては、その進化と汎用化に努め、社会実装につなげていきます。同時に、大学という教育機関の中で、MBR による材料開発という新しいセンスを持った 高度な研究者・技術者を育成していくのも本部門の大事な役割であり、 そのための教育活動もさらにバージョンアップしていきたいと考えています。

前述のように「地方大学・地域産業創生交付金」の助成期間は終わり、今年度からコンソーシアム会費をベースとした活動に移行しましたが、大変ありがたいことに、 これまでのメンバーの多くが2023年度以降もコンソーシアム活動を継続していただけることになりました。 また、個別の企業との新規産学共同研究も多くスタートさせることができ、新しいメンバーも増えました。 新たなプロジェクトとして、文部科学省の「先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援プログラム)」にも参画し、 これまで導入した設備の共用を進めることで、地域の材料研究の活性化に貢献していきます。

今後、環境対応と機能高度化というトレードオフの中で、材料開発の効率化はますます重要になってきます。 そのような中で、材料MBRは広島発の研究戦略としての存在感を示していきます。本部門の趣旨に賛同される新しいメンバーのコンソーシアムへのご参加を歓迎します。

概要

◆材料モデルベースに基づく革新価値の創出(人と環境に優しい材料技術など)で広島県・日本を元気にする

◆ニーズからのバックキャスティングで効率的な研究

◆モデルを共通言語として産学官連携

プロジェクト概要

  • 材料モデルベースリサーチの考え方で、複数の機能を同時自在制御できる革新的材料技術を創出します。
  • 社会実装に向け産学官がモデルを共通言語として共創し、製品のニーズからのバックキャストで効率的に研究を進めます。

背景

環境対応・お客様のニーズ多様化により商品はどんどん複雑化・高度化しやることは増えています。 一方従来の物ベースでのトライ&エラーによる開発・生産では多くの手戻り・無駄が発生してしまいます。 限られたリソースでより多くの仕事を実施し、多様化・高度化するニーズに応えるものづくりが求められています。 これは日本のものづくりが抱える共通の課題です。

材料モデルベースリサーチ

▶モデルベース開発(MBD)

物を使って開発する代わりにメカニズムに基づいたモデルで開発します。

これにより、成果としてのアウトプットの量を増やしながら、対象となる仕事の種類を減らし汎用性の高い仕事をすることができます。

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▶材料モデルベースリサーチ(材料MBR)

上記の モデルベースの考え方を材料研究の領域まで適用します。

科学と工業をモデルでつなぎ産学官が連携することでモノづくりを革新します。

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目的・狙い

▶モデルベースリサーチによる材料技術の革新

モデルベースリサーチによる材料技術の革新の狙いは下記の2点です。

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▶地域社会への貢献

材料MBRプロジェクトで生まれた技術を地域企業へ展開すると共に、人材を育成し、広島県・日本を元気にします

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▶ミッション・ビジョン・バリュー

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アプローチ

モデルベース開発の考え方を材料の研究領域まで展開します。

▶2つのアプローチ

「ニーズからのバックキャスティング」と「モデルを共通言語とした産学官連携」により効率的に革新的価値を生み出します。

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▶材料モデルベースリサーチのステップ

徹底的な見える化・メカニズム解明を元にモデル化し、そのモデルを活用して複数の機能を従来にない高いレベルで同時自在制御できる革新的材料技術を創出します。

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共創コンソーシアム

参画企業・機関の皆様と共に社会的実装に向けて共創してモデル化技術に関する研究開発を進めます。

▶全体計画

熱マネNVHをリードモデルとし、そのアプローチを複合材、エラストマー他に展開します。

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▶体制

研究推進と実用化推進のクロスファンクション組織で進めています。

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▶「材料モデルベースリサーチ」共創コンソーシアム参画機関

●㈱キーレックス ●㈱キーレックス・ワイテック・インターナショナル
●倉敷化工㈱ ●㈱すぎはら
●ダイキョーニシカワ㈱ ●タカヤ化成㈱
●㈱東洋シート ●㈱トクヤマ
●南条装備工業㈱ ●西川ゴム工業㈱
●㈱ヒロタニ ●㈱ヒロテック
●マツダ㈱ ●㈱モルテン
●ヤマニゴム工業㈱ ●㈱ワイテック
●近畿大学 ●広島県立総合技術研究所