材料MBR

広島大学

デジタルものづくり教育研究センター

材料モデルベースリサーチ(材料MBR)プロジェクト

Hiroshima University

Digital Monozukuri (Manufacturing) Education & Research Center

Material Model-based Research Division Project

先頭に戻る

研究内容

研究概要

「地球にやさしい」(省エネ・CO2削減)」と「人に優しい(快適性)」は背反している。また、従来、「音を少なくする材料(吸音材)」と「断熱する材料(断熱材)」は、音と熱の機能をそれぞれ制御してきた。 限られたスペース、重量、コストを考慮して、外から受ける音と熱の機能を両立できる技術が求められている。(図1)

図1
図1 クルマにおける音と熱の制御

我々は、上記を実現するために、「熱マネ・NVH制御材料」・「多機能複合材料」・「スーパーエラストマー」の3つの領域をターゲットに研究を進めて行く。 MBRの考え方に基づき、「熱マネ・NVH制御材料」の研究で得られたモデルやそれらに関連する材料技術を「多機能複合材料」・「スーパーエラストマー」 の研究にも展開し、効率的に研究を進めて行く。

本研究で得られた材料モデルや材料技術は、クルマに留まらず他の産業領域(住宅・船舶など)への展開も狙い、「地球にやさしい」(省エネ・CO2削減)」 と「人に優しい(快適性)」の両立を実現する。(図2)

図2
図2 材料MBR研究の進め方

熱マネ・NVH制御材料技術

研究テーマ:熱・NVH制御材料技術の研究

狙い:広島発の革新部材を最終製品からバックキャストで創造するため、材料と製品をモデルで繋ぎ、背反機能のブレイクスルーや、 熱・騒音振動(NV)の伝導制御を始めとする複数機能の同時設計・自在制御を支援する、材料MBR基盤を構築する。(図3)

価値:複数の機能要件と制約条件(コスト・重量・形状等)の両立を机上検討可能にすることで、参画企業各社が利益の高い製品をタイムリーに上市できる。

アプローチ:複数機能の共通因子を解明・着目し、共通因子の設計・制御に必要な、分析評価・モデル・モノ造り技術を構築する。 本領域では特に、熱・NV機能の共通因子である多孔質体の空隙構造にスコープし取組む。(図4)

図3
図3 熱・NVH制御材料技術研究について
図4
図4 多孔質体の空隙構造制御による熱・NV機能両立の考え方

多機能複合材料技術

研究テーマ:

  • フィラー/樹脂マトリクス界面のメカニズム解明による界面特性制御技術の研究
  • 射出成形工法と部品機能をつなぐモデル技術の研究
  • 多機能高性能複合材の寿命予測技術の研究

狙い:輸送機械を中心としてニーズが高まっている多機能軽量構造材料を製品要求機能からのバックキャストで 効率的に創出するため、繊維強化樹脂複合材の複数機能(剛性と振動減衰など)や品質(反り変形や劣化など)をモデルベースで自在に設計・制御可能とする材料MBR技術基盤を構築する。(図5)

価値:参画企業各社において、モデルという共通言語を用いて材料及びものづくり技術を研究・開発することで、機能・質量・コストを高次元で両立する製品を継続的に上市できるようになり、 地場産業の活性化につながる。

アプローチ:複合材の機能発現やものづくり工程のメカニズムを解明するため、 材料内部の微小領域の構造や過渡的な現象を可視化・定量化するための技術を構築する。(図6)

図5
図5 複合材料技術研究について
図6
図6 工法モデル化のアプローチの例

スーパーエラストマー技術

研究テーマ:

  • 環境温度による状態変化の見える化・定量化技術の研究
  • 耐久性(亀裂発生・進展)の見える化・定量化技術の研究

狙い:産学連携により製品からのバックキャストで要求機能を材料までカスケードし,材料モデルベースリサーチ(材料MBR)に基づいた材料開発により, 信頼耐久性も維持しつつ,より高性能なエラストマー製品に繋がる技術を創出する.(図7)

価値:外部環境(温度, 応力負荷)を考慮してゴム特性をモデル化しコントロールする事で,量販車でプレミアムカーを越える乗り心地と静粛性の両立を目指す.

アプローチ:モデルベースの考え方で,ブラックボックスであったゴム内部の微細構造の変化を見える化・定量化して, エラストマーの複数機能(温度特性と耐久性を両立)を制御可能とするための研究を行う。(図8)

図7
図7 エラストマー技術研究について
図8
図8 ゴム材料疲労破断面の解析事例